webデザインと額縁
収まり
以下はこのサイトにて画像を掲載した際の挙動を示す scss ファイルである。
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img {
max-width: 100%;
height: auto;
transition: all 0.35s ease-in-out;
.blur & {
$blur: 20px;
-webkit-filter: blur($blur);
filter: blur($blur);
}
}
横幅を目一杯使うよう指示していて、縦は自由。ではこの状態で縦長の写真を掲載するとどうなるか。
このように、縦に見切れてしまう。
ならば写真を縮小することで画面に収めるのがよいだろう。しかし、そうすると縦の迫力が失われてしまう。
どうすればよいか。「諦める」が正解である。そのような額縁が与えられているのだから、その額縁に合う表現を再設計しなければならない。読者に届けたい印象や情報が、媒体の構造によってどう変わるのか、これを意識することは常に重要である。
かといって、額縁によって可能な表現が狭まるのは好ましくない。そこで、「額縁を生み出す」という次のステップに進む。なぜ縦長の額縁を私は求めるか。スマホが常に縦向きで持たれるから、カメラを向ける時も縦に持つのが自然だからだ。しかし、通常のブログのような媒体では先ほどの通り、縦長の画像による表現は額縁に合わず、持て余す表現であった。TikTok や Instagram が爆発的に流行しているのは、縦長の額縁を提供したからだ。これにより、発信側が最も自然な形でスマホで被写体を写し、そのフォーマットならではの表現が誕生し、そこから新たな文化が発生した。受信者側にとっても、縦が最も都合が良い。
写真に限らず、何かプラットフォームの額縁を制定するときは、「人は何を表現したいか」「現在の額縁では何が制限されているか」「額縁をどのように拡張することで、表現は花開くか」を意識することが重要である、という殴り書き。
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